卵巣がんは一般的な検診がないため、発見時には症状が進行していることが多い

卵巣腫瘍の約80%は液体が溜まる卵巣嚢腫で、大きくなると腹部の張り、不快感、頻尿、便秘などの症状が現れますが、それほどつらいものではありません。良性で症状がない場合は、定期的に医師の診察を受けるだけで特に治療の必要がないこともあります。

卵巣腫瘍が発見される人の約10%は卵巣がんです。国内では毎年約8000人が卵巣がんにかかり、4000人以上が亡くなっています。卵巣がんを発症する多くの女性が更年期以降の年代ですが、発症者は増加傾向にあり、2015年には10万人に10.2人と、約30年前に比べて30%程度増えると予測されています。

卵巣表面の上皮に発生するがんは、排卵時に、傷ついた卵巣表面の上皮が内部に取りこままれて、がんが発生するとされています。そのため出産回数が少なく、排卵回数が多い女性ほどリスクが高くなります。

また食生活の欧米化、タバコ、肥満、排卵誘発剤の使用もリスクを高める要因となります。逆に出産や授乳、ピルの服用などでは、排卵がなくなるためがんのリスクは低下します。

卵巣がんは症状が殆ど現れないため発見が遅れるケースが多く、卵巣がん患者の3人に2人は、卵巣の外までがんが広がった状態で受診するため、予後は芳しくありません。

現在、一般的な卵巣がん検診は行われていないため、症状がだいぶ進行して腹痛やお腹の張りを自覚してから、あるいは子宮がん検診のエコー検査で、偶然に卵巣がんが発見されているのが現状です。