子宮頸がん検診で死亡者数は減少すると期待されますが、受診率が低迷

子宮の下3分の1にあたる入り口の部分に発生する子宮頸がんは30~40歳代に多く見られます。近年の傾向としては、40歳以上の発症者は年々減少していますが、20~30歳代では逆に増加傾向にあります。

子宮頸がんの発症にはHPV(ヒトパピローマウイルス)の感染が強く関係しています。セックスによって感染するため、女性の80%は、最低1回はHPVに感染するとされており、セックスパートナーが多いほど、妊娠・出産回数が多い人ほど子宮頸がんになりやすいともいわれています。

発がん性HPVに感染した人のほとんどは、自然にHPVが消滅するためまったく問題はありません。しかし、発がん性HPVに感染した女性の0.15%が5~10年という時間をかけて子宮頸がんになります。

初期の子宮頸がんは症状はありませんが、進行すると不正出血、悪臭のあるおりものなどが出てきます。がんが子宮周辺の組織にも広がると、頻尿や血尿、便秘、下肢のむくみなどの症状も現れます。

HPVに対するワクチンも作られており、ワクチン投与が普及すれば、子宮頸がんの約70%は予防することができると期待されています。セックスで感染するため初めてセックスを行う年齢よりも早くワクチン接種を行うことが大切です。そのため国内では、女子中高生に対して公費によるワクチン注射が行われています。

日本では20歳から1年おきに子宮頸がん検診が通知されています。欧米の先進国における子宮頸がん検診の受診率が70~80%と軒並み高い数字になっているのに対し、日本では20%程度と停滞しています。

20歳以上の人には、「一部公費負担で検診が受けられます」という旨の受診を促す案内が来ますが、実際の検診受診者で、案内をもらって検査を受けに来た人は20%にも届いていないという調査結果もあります。

受診率が先進国並みに上昇すれば子宮頸がんの死亡者数が減少することは、既に実証済みです。自覚症状がなくても、がん検診の案内が来たときには、ぜひ検査を受けるようにしましょう。