40歳以上はマンモグラフィーによる乳がん検診を実施しています

日本で乳がんを新たに発症する女性は年間約4万人にものぼっており、毎年1万人が亡くなっています。欧米の先進国における乳がんの死亡率は減少傾向にあるなか、日本だけは増加傾向にあり、30~60歳代前半では乳がんががん死亡の第一位となっています。

30歳くらいから乳がんの発症者が増加し始め、50歳代がピークとなっていますが、20歳代で乳がんになる人もいます。乳がんとエストロゲン(女性ホルモン)は密接な関係にあり、初潮が早い、閉経が遅い、初産年齢が遅い、両性の乳腺疾患(乳腺症など)に罹ったことがある、などの項目に該当する女性は乳がんになりやすい傾向にあります。

また閉経後の女性では肥満もリスクファクターのひとつとなります。家族性の乳がんも少なくなく、特定の遺伝子を持っている人、近親者に乳がんになった人がいる場合も乳がんのリスクが高くなります。

現在、乳がん検診は医師による視診・触診に加えて、40歳以上にはマンモグラフィーによる検診を実施しています。このマンモグラフィーを併用することにより、乳がんの検出率は視診・触診のみに比べて3倍上昇し、0.03%の割合で受診者に乳がんが発見されています。

ただし比較的若い40台の乳がんはマンモグラフィーで発見できないケースも少なくないため、超音波検査を併用すべきという専門家の指摘もあります。

アメリカでは、1980年代にがんで家族を失った家族が、乳がん検診の早期受診を推進するために行った「ピンクリボン運動」などのキャンペーンの影響もあり、マンモグラフィー検査の普及、受診率の増加、乳がん死亡率の低下という成果を出しましたが、日本では乳がん検診の受診率が20%にも達しておらず、今後の啓発をどう行っていくかが課題になっています。

定期的な検診で乳がんの早期発見・治療を目指すのが最善ですが、時間と場所を問わずに自分で行える乳がんの自己検診も重要です。乳がんの最初の症状は乳房のしこりですが、2cmを超えたサイズのしこりは自分で触れることができます。

また皮膚の様子を観察することも大切です。皮下に広がった乳がんは、えくぼに似たくぼみをつくったり、みかんの皮のような凹凸ができます。炎症性の乳がんでは、皮膚が赤くなったり、痛みや熱を帯びたり、さらには乳頭から血の混じった分泌液が出ることもあります。

乳がんは胃や肝臓などにできるがんと異なり、自分の目で確認できるため定期的な自己検診で早期発見が可能な唯一のがんです。月に1度は自己検診を行うようにしましょう。